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「サイクリングのベーストレーニング」 竹谷賢二

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2010/02/25



竹谷 賢二(スペシャライズド ジャパン) 

プロフィール:

サラリーマン時代にポラールを活用したトレーニングで日本一に輝く。 その後プロへ転向し数々の日本タイトルを獲得。 ポラールを長年実践してきた経験から、多くのトップアスリートに トレーニングアドバイスをおこなう。

アテネオリンピック日本代表(2004)
全日本選手権優勝4回(2000,2003,2006,2007)
競技カテゴリー:MTB
所属:スペシャライズド

 

Vol.2 2010.2 「サイクリングのベーストレーニング」 竹谷賢二

いわゆるシーズンインに向けたこの季節、目標のイベントを定めて、ヤル気溢れる時期でもあると思います。

トレーニングを目標達成に向けて頑張ろう!と思い立ったら、100%の努力を行うのではなく、まずは基礎的な事=ベーストレーニングから始めていくと良いでしょう。

 

ベーストレーニングのポイントは3つになります。

1)いろいろな能力を高めよう

2)Lightゾーンメインで行おう

3)総時間を多くしよう

 

では、次にそれぞれを説明していきましょう。

 

1)いろいろな能力を高めよう

目標達成のためには、それをクリア出来るだけの能力が必要です。スポーツで言えば、体力、というのが真っ先に上がると思いますが、もっといろいろな能力が必要になります。大きく分けると””””と言い表せます。

はいわゆる精神、といっても根性だけではありません。目標達成しようという強い意志、動機づけ(モチベーション)が最重要です。

そして、一つ一つのトレーニングに対するに集中力闘争心平常心など様々な精神状態をコントロール出来るようになれることです。

は、技術あるいは技能という、スポーツ動作です。フォームであったり、様々な動きを、カラダをしっかりと無理ムダなく、適切にコントロールして動かせるようになること=向上です。いわゆる認知、判断、操作、加えて神経系の改善といってもいいでしょう。

そして、いわゆる体力ですが、これをポラールハートレートモニターHRM)では、心拍数を運動強度の指標としてトレーニングを適切のコントロールすることで、段階的に様々な要素が向上させることが可能になります。

 

心拍数、といっても心臓だけを鍛えているわけではありません。

心臓循環器系のひとつで、体内へ血液を通して、酸素エネルギーなどを循環させるためのポンプの役割をしています。動脈から毛細血管まで、身体の隅々までこれらを行き渡らせています。また静脈を通して二酸化炭素と老廃物を回収していきます。

その酸素は、など呼吸器系で体内に取り込まれます。この肺を動かすのは横隔膜という筋肉です。

呼吸で肺にとりこんだ酸素を、循環した血液に取り込んで回収した二酸化炭素と交換するという働きをしていますので、呼吸循環器系と呼ばれることもあります。

筋肉運動のエネルギーは、糖質や脂質を酸化させることで得ていますが、それをおこなうミトコンドリアなどの代謝系という化学工場的な役割により生み出されています。

そして、そのエネルギーを得て筋肉が収縮することで、動作となります。最大筋力、筋持久力というように評価されますし、筋肉自体も速筋遅筋(とその中間筋)という性質にも分けられます。

これらすべての要素が複雑にからみ合って、運動を行い、持続させているのです。ですから、いろいろな能力を鍛えていくという意識を持つことが重要になります。なにが、どのように、どれくらい、動員されるかは、その運動強度によって変化していきます。

 

2)Lightゾーンメインで行おう

この各要素をベーストレーニングにより、土台からまんべんなく向上させたうえで、応用発展的な段階(ビルドトレーニング)に移っていきます。

ポラールHRMを用いれば、土台づくりに適した運動強度でコントロールしたトレーニングを実行することが出来ます。具体的には、ポラールトレーニングゾーン別表参照)でいう”Lightゾーンでの運動が効果的です。ニコニコペースで走る、LSD、と呼ばれるトレーニングになります。 

次の理由から、頑張りすぎて運動強度を上げすぎないにします。

 

・脂肪燃焼が促進されない

代謝的に、脂肪由来のエネルギーを多く動員出来るようにするのが基礎能力で、強度が上がると糖質由来のエネルギーをすぐに大量動員する刺激となってしまう。

・アンバランスが助長される 

強いところはより強く、そうでないところはそれなりに。強度を上げるると、弱いところはすぐに一ぱいになってしまい、強いところがそれを補うように発揮にされることで、刺激がアンバランスになり、発達もアンバランスになります。

・動き、意識がコントロールできない

いきなり強度を高くして行うとメチャクチャな動きで、意識もイッパイイッパイになってしまいがちです。動作のスキルアップ、運動中の意識や集中力を高めるように、注意を払いコントロールしながら行うことが全体パフォーマンスをあげるために重要となります。

・長時間のトレーニングを可能とする

各要素を運動強度をLightゾーンに適切に保つことで、筋肉のうち遅筋線維の動員と向上を図り、エネルギーの枯渇、疲労を抑えて長時間のトレーニングをしやすくなります。

 

3)総時間を多くしよう

能力の向上とは、身体の適応を引き出す、とも言い換えられます。身体の適応は、そのトレーニングで得た刺激の種類と量に応じて、促されていきます。

ですから、基礎能力を向上させるには、基礎レベルのトレーニングで行うようにするのです。それは強い刺激ではないので、一回あたりで大きな適応を引き出すことはありませんので、総時間(一回あたりの時間、頻度、期間)を多く費やして構築していく必要があります。

とはいえ、いきなりの長時間は負担が大きいので、トレーニング時間は徐々に増やしていくようにします。はじめは1時間かもしれませんが、”Lightゾーンメインで行っていけば、2時間、3時間と増やせるようになります。

また、おおむね、1〜3ヶ月をかけて行う必要があります。中上級者で、過去数年トレーニングを重ねているならば、この期間は短くてしても良いでしょう。

逆に、全く運動経験の無い方であれば、Very Lightゾーンに抑えることで身体の負担を抑えることができるので、穏やかに継続していき、運動習慣を取り戻すことから始めてみてください。 

ポラールHRMのラインナップの中で、PCにダウンロード可能なモデルは解析ソフトのプロトレーナー5を用いて、トレーニング中の運動強度の割合や、特定の期間の総時間の積算や推移を、簡単に確認出来るようになるので、進捗状況、成果を確認しながら、トレーニングを継続していくことができるので、利用をお薦めしています。

また、別途、クロストレーニングとして、筋力アップのためのストレングストレーニングを取り入れることも相互補完によって全体パフォーマンスを向上させてくれることでしょう。

今後、ビルドトレーニングを行うことで、発展レベルのパフォーマンスを上げることが出来るようになります。まずは土台作りのために、ベーストレーニングに励んでみてください。

 

ポラールスポーツゾーン

 

 

前回の記事

 

Vol.2 サイクリングのベーストレーニング [PDFのダウンロード]

 

Vol.1 心拍トレーニングとの出会い [PDFのダウンロード]